Yoshoku Ogata | Kyoto, Japan 京都「洋食おがた」2020/04/21
数軒の例外を除いて、私は洋食というジャンルを個人的に好まない。料理としての完成度を高めることよりも、食べ手のノスタルジーを満足させることに主眼を置いているように感じることが多いからだ。そして、食べ手のニーズを満たすことは飲食店の大切な役割のひとつなので、否定する気は毛頭ない。
そんな中、当店は洋食を名乗りながら、料理としての本質も追い求めている。象徴的なのが、鯵フライ。水分が飛ぶまでしっかり火を入れてソースの味で食べさせるのではなく、サスエ前田魚店の上質な鯵をレアな状態に揚げる。鯵が衣の中で軽く蒸し上げられ、本来の風味も水分感も保たれている。これこそ、ノスタルジーを抜きで考えた時の、鯵フライの完成形に近いのではないかと思う。既成概念が覆される、傑出した逸品。
洋食にノスタルジーがある方もない方も満足できる、稀有な一軒だと思う。
富山産蛍烏賊、菜の花のお浸し
平目のカルパッチョ、油通しして炙った縁側、肝の醤油マリネ
馬刺し盛り合わせ
肋肉、赤身、ロース、レバー。
金目鯛と太刀魚のフリット
鯵フライ
平井牛ヒレの炙り、唐墨
ハマグリのフライ、甘鯛のフライ
ふくどめ小牧場産サドルバック種豚ロースの天ぷら
ハンバーグ、平井牛ヒレのビーフカツ
カレーライス