EUROPE

Casa Julian | Tolosa, Spain2019/05/27

チュレタ(リブロースステーキ)の名店として世界に名を轟かせる老舗。
当店を訪問するのは、3年半ぶり。オーナーの代替わりに伴って、入口の雑然とした物置スペースがラウンジとして生まれ変わった。また、以前スペイン語しかなかった一枚紙のメニューも、英語版が出来た上に洒落たものに生まれ変わった。

チュレタは、以前はbuey(雄牛)とvaca(雌牛)の両方がメニューに並び、前者は入荷次第、と記されていたと記憶している。それが、現在のメニューではvacaのみが載っている。bueyがないか訊いたところ、この日は入荷があるとのことなので、より貴重なbueyを頂くことにした。

前菜として、季節のトマトサラダとポルチーニを選択。大振りにカットし、ザクザクとした食感を残したポルチーニが出色。
一般的なアサドールはテーブルの人数に合わせて異なるサイズのチュレタを選択するが、当店は同じくらいのサイズのチュレタを2〜3等分し、各テーブルを周って配る。ブラジルのシュラスコを思わせるスタイルがユニーク。

今回2人で訪問したが、2人では通常食べられないくらい分厚いチュレタを頂いた。
1枚丸ごとだったら食べきれなかったところだが、切り分けてくれるスタイルだったので、1枚の2/3を2人で頂くことが出来た。
厚みがあることで、表面の焦げた部分と中心部のレアの部分のコントラストがより鮮やかになる。オーナーに訊いたところ、6〜8cmの厚みが理想で、ほぼその範囲で揃えているそう。チュレタを1枚丸ごと供するのではなく、1人前ずつ切り出して供する意味が理解できた。
今回頂いたチュレタは、ドイツ アルゴイ地方産牛で、月齢は6〜9歳。主に北ヨーロッパの牛肉を使っているそう。熟成期間は22日と、他のアサドールの用いる牛肉に比べて短い。食べてみても熟成香はほぼ感じられない。脂が乗っていてジューシーだが、水っぽくは感じない。厚みのある肉を噛み切る喜びがある。

締めのデザートも抜かりなく、チーズケーキが素晴らしい。トロトロのタイプで、ナイフを入れるとゆっくり流れ出す。底にTejas de Tolosa(トロサ風アーモンドクッキー)のクランブルを敷き詰め、食感と香ばしい風味を加える工夫が見事。オーナー曰く、ニューヨーク・チーズケーキのイメージだそう。
バスクを訪れる上で、外せない一軒。

Ensalada de tomate
トマトサラダ

Huevo picado con hongos
ポルチーニ、半熟卵

Chuletón de buey
チュレタ

Pimientos del piquillo confitados
赤ピーマンのコンフィ

Queso Idiazabal con membrillo
イディアサバルチーズ、マルメロのジャム

Tarta de queso
チーズケーキ

Casa Julian