Kate Cuore | Imari, Saga 佐賀 伊万里「Kate Cuore」2020/05/05
シェフ自ら、レストランで使う牛を育てるレストラン。
ステーキで供するための牛をシェフ自ら育てているといえば、スペイン「El Capricho」が世界的に有名だが、日本では聞いたことがない。当店のシェフの奥様の実家が肥育農家だったので、その牧場の一角で自ら育て始めたそう。
搾り立ての牛乳をリコッタにしたり、菜の花やキャベツを朝採ってきたり、生産地ならではの鮮度を生かした料理が光る。魚醤や松浦漬けなど、発酵食品も取り入れられているので、鮮度と熟成のコントラストも味わえる。
主役となるステーキは、入店時には既に火入れがスタートしていて、コースの料理が提供される間、焼いたり休ませたり繰り返しながら、長い時間をかけて仕上げられる。屠畜して2週間のロースは、水分量が多く、アルゼンチンで一般的なサラダ感覚のフレッシュな牛肉を思い出す。一方、3週間枯らせたサーロインは、旨味が乗ってきている。
この日頂いた肉は、どちらも沖縄の繁殖農家さんが放牧で育てた牛を仕入れ、自ら牧場で1年かけて肥育したもの。なかなか経営資源が限られている中では難しいかもしれないが、ここで長期肥育の経産牛に加えて純但馬血統の未経産牛も育て、食べ比べることができれば、より面白くなりそう。また、「El Capricho」のように、肥育だけでなく屠畜後のエイジングも自らコントロール出来るようになれば、と夢はどんどん広がる。
つくし湯
つくしを焙じて水と塩で煮出したもの。
リコッタ、五島列島産塩
朝絞り立ての牛乳に唐津産無農薬レモンとビネガーを加えて、リコッタチーズ状に仕立てている。レモンの酸味が加わり、風味はヨーグルトのよう。
全粒粉と米粉のパン
冷製パスタ、唐津産平目の生ハム風、蒸した菜の花、有明海苔のオイル
昆布締めにしつつ乾燥させた、生ハム風の平目。菜の花は、畑で今朝取れたもの。凝縮された平目の旨味の上に、海苔の濃厚な旨味が重なる。
蒸したキャベツとキビナゴの魚醤のパスタ
今朝抜いたばかりのキャベツ。フレッシュでシャキシャキ感があり、瑞々しい。パスタは本来麺が主役の料理だが、こちらはキャベツが主役。
長崎産金目鯛、薩摩芋の焼き芋、松浦漬け、原木椎茸
松浦漬けは、鯨の軟骨を酒粕で漬けた郷土料理。
みつせ鶏のハツとレバーのテリーヌ、エスプレッソ、金柑
12歳経産牛芯ロースと巻きロース
屠畜後2週間。
9歳経産牛サーロイン
3週間枯らしたもの。
摘みたての伊万里産いちご「いちごさん」
パンナコッタ
訪問:2020年3月
INFO
〒848-0027 佐賀県伊万里市立花町3997-4
「Kate cuore」