Soba Osame | Roppongi, Tokyo 六本木「蕎麦おさめ」2020/05/05
過去一年、全ての飲食店の中で私が最も頻繁に通ったのが、当店。
在来種の蕎麦粉を使った玄挽き蕎麦は、風味が豊かで力強い。その上、田舎蕎麦にありがちな太く野暮ったいものではなく、細くて端正。喉越しの良さも楽しめる。ある意味、田舎蕎麦の香り高さと更科そばの上品さを兼ね備えているので、他の蕎麦では満足できなくなる。
粉の配合は、以前は外一だったが、十割にしたそう。十割蕎麦はぶつぶつと切れやすいイメージがあるが、十割とは思えないくらいにコシが強く、心地よい弾力がある。この食感が実現できるなら、全ての蕎麦は十割でもよいのではと思うくらいに満足度が高い。
玄挽き蕎麦にはつゆと塩、山葵が添えられているが、蕎麦の香りが十分強いので、まずは何も付けずに頂く。続いて、山葵だけを添えて大半を食べ切る。最後の二口程度、味変として山葵と塩で頂く。つゆは折角の蕎麦の香りを邪魔するので、使わない。通常、蕎麦の香りを立たせるために塩は有効だが、それすらなくても良いと思えるくらいに蕎麦のみで成立しているのが素晴らしい。
そばがき
長野県山形村乗鞍在来種。
玉子焼き
お通しにしん
粗挽きの平打ちそば
鳥取県伯耆町在来種。
玄挽きそば
広島県神石高原「天空のそば粉」。
訪問：2020年3月
