Asador Etxebarri | Atxondo, Spain2019/05/28
言わずと知れた、バスク地方を代表するレストラン。アサドールという文化を世界に発信し、上質な食材をシンプルに薪火で調理するという近年のトレンドを作った店として、世界の料理界に与える影響力は計り知れない。
昨年ビルバオで開催された「世界のベストレストラン50」授賞式に合わせて訪問して以来で、初めてこの地を訪れた15年ほど前から数えると8回目くらいだと思われる。
今回は、テイスティングメニューにキャビアと亀の手を追加した。どちらも薪火で燻したもの。
コースの流れ的にはチュレタがメインとなるが、私が最も楽しみにしていたのがこの時期旬を迎える涙豆。他の店よりも小さく癖のないものを選りすぐってくれるのが嬉しい。ぷちぷちとした食感と雑味の一切ない自然な甘味が傑出している。これを一度食べてしまうと、日本のえんどう豆は皮の食感の悪さや独特の癖の強さが気になり、美味しいと思えなくなってしまうのが本当に怖い。コースの量が多いのは承知で、思わずお代わりしてしまった。
他にも、香り高いユキワリタケ、水牛の風味が凝縮されたチーズ、クアハダ(凝乳)のアイスクリームが印象に残った。
チュレタは、昨年の訪問に引き続いて素晴らしい状態のものを頂けた。柔らかくジューシーだが水っぽくなく、肉本来の旨味が強い。火入れが丁寧で、表面のカリカリ感と中のレア感のコントラストが抜群。
最初に訪問したときの感動が、5〜7年くらい前は正直若干薄れたこともあったが、ビクトルを支える前田哲郎の充実もあってか、ここ2年の訪問は以前の感動を思い起こすほど完成度が高い。
TASTING
Chorizo
自家製チョリソー
Spring mushrooms cracker
ユキワリタケのクラッカー
Buffalo fresh cheese
水牛のフレッシュチーズ
Boquerone
カタクチイワシ
Caviar
キャビア
Butter goat’s milk
山羊乳のバター
Goose barnacles
亀の手
Variegated scallop & saltwater clam sauce
ザンブリーニャ、貝のソース
Prawns of Palamos
パラモス産海老
Sea cucumber & green beans
ナマコの筋肉、涙豆
Cod kokotxa, swim bladder & pil-pil
鱈の顎肉と浮袋のピルピル
Egg yolk & Spring mushrooms, red pepper
卵黄、ユキワリタケ、赤ピーマン
Peas & their juice
涙豆
Tuna belly
鮪の大トロ
Red sea bream & vegetables
真鯛、野菜
Beef chop
チュレタ(リブロースステーキ)
Curd ice cream & strawberry
クアハダのアイスクリーム、苺
Soufflé of chocolate
チョコレートのスフレ
Mignardise
ミニャルディーズ
訪問:2019年5月