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Faro | Ginza, Tokyo 銀座「ファロ」2020/05/10

ローマでミシュラン一つ星を獲得する能田シェフが着任して以来、二度目の訪問。
今回の目当ては、ヴィーガンのコース。特別対応ではなく、レギュラーメニューとしてヴィーガンのコースを主軸に据えるファインダイニングは、世界広しといえども数少ない。肉や魚介だけでなく、乳製品や蜂蜜すら使えないヴィーガンは、ベジタリアンよりも更に難易度が高いが、その厳しい制約を自らに課した能田シェフのチャレンジを体験するために、伺った。

ナッツ類や穀物を効果的に用い、発酵の要素も選択的に取り入れた料理は、単調になることなく飽きさせない。ボリューム的にも十分で、満腹感だけでなく満足感も感じられる。コースの流れもよく考えられており、肉や魚介がないという欠落感を途中感じることなく食べ終えることができた。
個人的には、ヴィーガンやベジタリアンの店の多くは、ヴィーガンやベジタリアンの基準を満たすこと自体が目的になっており、料理としての完成度を追求するところまで至っていないように感じる。そんな中、ここ数年、日本でもファインダイニングで活躍してきた肉も魚も食べるシェフたちがヴィーガンやベジタリアンに取り組む流れが活発になってきており、ヴィーガンやベジタリアンでない食べ手でも満足できる料理が増えてきた。能田シェフの料理は、その中でも最もイノベーティブで、先進的な試みといえる。
世界で最も影響力のあるレストランと呼ばれるコペンハーゲン「Noma」のベジタブルシーズンに匹敵する、世界のヴィーガンやベジタリアン料理の最先端を切り拓く一軒。

 
白人参と十五夜味噌
白人参、味噌と黒ニンニクのペースト、アリッサム

銀杏のフリットと筍

マガオペッパーの葛湯とソルベ
マガオペッパーのシャーベット、カタバミの葉、カタクリの花
マガオペッパーの葛湯、吉野葛、ワイルドライス

菊芋のミルフィーユ
オリーブオイルと菊芋のピュレ、コンブチャコーヒーのソース

グリーンアスパラのグリル
ノートアーモンドのペースト、文旦、ミントオイル、ローズマリーの花

自家製酵母パン(前田農産キタノカオリ)
イチゴの天然酵母、全粒粉、シチリア産オリーブオイル、とうもろこしのブラウンバター

じゃがいもスパゲッティ(山形県はるか)
豆乳と人参醤油、紫蘇の花、ビーツのパウダー

菜の花と行者にんにくのリゾット
菜の花のリゾット、行者にんにくの凍らせたディスク

蓮根のラビオリ
しろいし蓮根のラビオリ、イタリアンパセリと三福海苔、野菜の出汁

ルタバガの塩釜焼き
クミン・フェヌグリーク・藻塩のパン生地、ブロッコリーのソース

椎茸ステーキ
原木椎茸のオーブン焼き、椎茸の軸とポルチーニのデュクセル、ポルチーニと椎茸のペースト、サルサヴェルデ

カシューナッツとニュートリショナルイーストのチーズ
プレーン、キノコ、パブリカ、黒胡椒、バローロレーズン

全粒粉のパン、八朔、生姜のコンフィチュール、枝付きレーズン

桜の思い出に・・・
苺とアーモンドのアイスクリーム、アーモンドミルクのシート、桜と苺のソース

米の未来〜形を変えるお米の可能性
米のシャーベット、バニラと豆乳のソース、揚げた米の麺、ひよこ豆のメレンゲ、マシュマロ、乾燥餅、柘榴のゼリー

奈良県山口農園の恵
花のタルト

 

訪問:2020年

 
「FARO」