Rangoon | Honolulu, Hawaii2018/08/24
「すし匠」で食事した後は、本田 直之さんのご案内で二軒目へ。
向かったのは、この日オープン初日を迎えたミャンマー料理店、「Rangoon」。「Dagon」という人気レストランと同じミャンマー人オーナーによる、姉妹店。
ミャンマー料理というと、東南アジアの中でもマイナーな印象は否めず、世界中で知られるような名物料理もない。実際にミャンマーを訪れると、バラエティに富んだ少数民族の料理は印象に残るものの、カレー的な煮込み料理は全て脂っこかったのを覚えている。
今回は2軒目ということで、オーナーお勧めの料理を3皿だけ頂いた。煮込み料理はスパイスを使ってはいるが、辛さは控えめで香り高い。また、日本の味噌を思わせるポンイェジー(豆の発酵調味料)やンガピャーイェー(魚醤)など伝統的な発酵食品が盛り込まれ、旨味を増幅させている。どの料理も完成度が高く、私がミャンマーを1週間食べ歩いた時の印象を遥かに上回る素晴らしさで、嬉しい驚き。
オーナーは、チンバウン(サワーリーフ)をミャンマー並びにカリフォルニア州(ラオス系移民が現地で育てているそう)からわざわざ取り寄せるなど、オーセンティックなミャンマー料理への拘りは本物。一方、メニューに幅を持たせたり、店の雰囲気に適度なエキゾチシズムがあったり、カジュアルな食べ手にも受け入れられる間口の広さを兼ね備えている。この絶妙なバランス感は、アジア各国の料理が百花繚乱のハワイならでは。現地ミャンマーの食事情に通じている方は別として、いきなり本国で食べ歩くよりも、当店の料理に慣れ親しんだ方が、ミャンマー料理の魅力を理解するのに近道かもしれない。
「Dagon」は人気で予約なしでは入れないこともあるようなので、当店は今が狙い目。ミャンマーを訪れる機会がない方だけでなく、行ったことがある方にこそお勧めしたい一軒。
TEA LEAF SALAD
Fermented green tea leaf mixed with romaine lettuce, garlic chips, peanuts, yellow split pea, green split pea, sesame seed, sunflower seed, tomato, jalapeño and lime
ティーリーフサラダ:発酵させた茶葉、ロメインレタス、ガーリックチップ、ピーナッツ、黄色のスプリットエンドウ豆、緑色のスプリットエンドウ豆、胡麻、向日葵の種、トマト、ハラペーニョ、ライム。ミャンマー名物、ラペットゥ(発酵茶葉のサラダ)。外苑前「アンディ」で食べて以来。茶葉の爽やかな酸味に、異なる種の風味や食感が口の中で重なり合う。
MANDALAY PORK CURRY
Pork belly slow cooked with garlic, onion, ginger, paprika, vinegar, sugar, Burmese bean paste, fish sauce and dry chili
マンダレー風ポークカレー:豚バラ肉の煮込み、ニンニク、生姜、パプリカ、ビネガー、砂糖、ポンイェジー(豆の発酵調味料)、ンガピャーイェー(魚醤)、乾燥唐辛子。発酵調味料の旨味とコクが深みをもたらす。
BURMESE SOUR LEAF WITH PRAWN
Shrimp cooked with sour leaf, bamboo shoot, red chili, onion, fish sauce, coriander, dried shrimp, garlic and ginger. Authentic Burmese traditional dish.
サワーリーフと海老の煮物:海老の煮込み、サワーリーフ、筍、赤唐辛子、玉葱、ンガピャーイェー、コリアンダー、干し海老、ニンニク、生姜。サワーリーフは、ミャンマー語でチンバウンと呼ばれるロゼル(ハイビスカスの仲間)の葉。サワーリーフと呼ばれる通り、独特の酸味と苦味が特徴。ミャンマー料理には欠かせない野菜だそうで、食べ進めるうちに癖になる。
訪問:2018年8月